2008年05月16日

すべてがぼんやりしている。

今日は一日家に居て、何もしたいと思えなかった。

勉強したくない。本を読みたくない。どこかへ出かけたくもない。
書きたくない。描きたくない。欠きたくない?

そうやってずるずると時間は、そうやってどろどろと時間は・・・
いや、時間はあたしの周りをずっとうろうろしていた。捕まえてくれと言わんばかりに。あたしはただ、それを捕まえたくなかったのだ。

夕方になって、あたしはこのままじゃ明日が来ないような気がしてきた。

そこで、とりあえずぼさぼさの髪をキャップで誤魔化して出かけることにした。

一人ドライブの良いところは、格好をさほど気にしなくて良いところだ。
今日のスタイル。いつかの福袋に入っていたジャージにユニクロの・・・これ何だ?スウェット?まぁ、誰にも会いたくない格好だ。

行き先は夕日でちょっと有名な海岸に決めていた。ここ一ヶ月ほど海に行ってなかった。無性に波の音が聴きたかった。

車を運転しながら、徒然なるままに頭の中のメモ帳にペンを走らせた。嘘。そんな詩的なことしていない。頭の中に浮かんでくるよしなし事をそこはかとなく眺めていただけだ。

そういえば、最近知合った近所の男の子に「よく一人で海行くんでしょ、何して遊ぶの」と聞かれて、あたしは「波打ち際ではしゃぐから、あんまり人と行かないの。引くでしょ」と言った。

嘘だった。

波打ち際で遊ぶことが無いとは言いきれないが、キャーキャー言ってはしゃいだりしない。大体一人でそんな恥ずかしいこと出来ない。一人で行く時は大概ぼーっと水平線を眺めている。

どうしてあんな嘘ついたんだろう。

ちょっと考えてみたが、すぐに飽きてしまった。

「私は嘘をつかない」という嘘もつけるな。「嘘だよ」という嘘。「嘘じゃないよ」という嘘。一生嘘をつかない人なんているだろうか。それこそ嘘っぽい。嘘。嘘。嘘。ゲシュタルト崩壊の始まり。


夕方の海岸は絶対人がいる。今日みたいな曇りの日はあまり多くはないが、あたしは誰にも会いたくなかった。知らない人にも会いたくなかった。笑いかけたり、会釈するのも嫌だった。

そこで、あまり人の知らないポイントに行ってみたが、そこにはもう何台か車が停まっていた。しょうがない。あたしはそこからちょっと離れたところに車を停めて、キャップを目深にかぶってから海岸に下りた。

そこは何かの工事中みたいだった。高さ2メートルほどの木の柵が防風のためなのか張りめぐらされていた。遠くに人影が二、三人。田舎の海なんてそんなもんだ。

あたしはその柵に隠れるようにしてしゃがみこんでみた。ここなら道路からも見えにくい。だけど、こんなところ人に見られたらそれこそ恥ずかしい。中学生の頃、家族でキャンプに行った時、母が木の幹に耳をあて自然の音を聴こうとしているのを、兄弟みんなで馬鹿にしたことを思い出した。

人なんてみんな馬鹿だ。見られないように気をつけているか、いないかの差なのだ。

あたしは柵の隙間から海を見た。近くは韓国に、遠くはアメリカ、北極、南極にだって繋がっている海を見た。

柵が邪魔だった。でも何故か柵の先に行こうとは思わなかった。行きたくなかった。
柵の隙間から、あたしは世界を見ていた。

テレビを見るのとそう大差ない気がしてきた。
嘘。そんなこと思わなかった。ただ、言い様のない悔しさ?後悔?自分はこの柵を壊すことができるのだろうかという問い?

前にも似たような気持ちになったことがある。高校生の時、電車を途中下車して自主休校した時だった。あの時は別の海浜公園に居て、散歩する人や話し込むカップルを眺めていたんだった。


ふと足元を見ると、スズメバチが少し砂に埋もれて死んでいた。掘り出してみると、脚一本欠けてない綺麗な死骸だった。砂浜にスズメバチ。こいつはどうしてここで死んだのだろう。考えても解らなかった。

まったく。解らないことだらけだ。
だけど、解らないことは解らないままでいい。無理に答えなんて見つけられない。変な文章問題みたいなものだ。あんな短い文章の切れ端から、著者の意図を完全に把握するなんて無理なのだ。

あたしはお腹が空いてきたので立ち上がり、来た時とは別の階段を登って車に戻った。

今日の夕飯はおいしい焼きそばらしい。おいしい焼きそばって何だ?
posted by bonnie at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉遊び | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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